かもめんたるというコンビについて
お世話になります、ウツシロです。
こう見えて私もお笑いが好きだ。
若い頃はダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャンなどを食い入る様に見ていた。
M-1やキングオブコントなどの賞レースも好きで毎年楽しみにしている。
しかし、一つ気になっているのが、あるコンビの露出度の低さだ。
そのコンビとはキングオブコント2013王者かもめんたるである。
かもめんたるとはボケ、ネタ作りを担当する岩崎う大とツッコミの槙尾ユウスケのコンビだ。
まずは私の好きなコントを観てもらおう。
「無駄な時間って無駄じゃない?」「ほぼほぼゲリラじゃん」このワードセンスが堪らない。この意識高い系お兄さん、日本のどこかにきっといる感が素晴らしい。
このコンビのコントを初めて観たのはキングオブコント2012だった。
1本目のコンタクトレンズのネタで岩崎う大の狂人的キャラクターに目が留まる。
デフォルメしているキャラクターにも関わらずギリギリ居そうな雰囲気を漂わせていた。
「電柱に鼻から愚突」「座右の銘があとの祭り」などパワーワードも満載だった。
2本目は小学生の作文のネタだった。教師役の岩崎う大が冷静な先生で学生の作文に嘘がある事を見抜き言い放った「お疲れ」が今も記憶に残っている。嘘がバレた後の槙尾ユウスケの演技も素晴らしい。
2012年は3位に終わったが私の中ではもっとも印象に残るコンビだった。
そして翌年の2013年キングオブコント決勝1本目、路上アーティストのネタ。
このネタは色紙に1フレーズを書き路上で売っている青年(某有名詩人のオマージュ)と宝くじを当てた金持ちマダムのやり取りだ。
マダムから説教をくらう形のコントなのだが出てくる言葉の切れ味が凄い。
最初は笑っていられるが青年に対する的確過ぎるツッコミで胸が苦しくなるのだ。
しかし、マダムのセリフも的を得ている為面白いと言う複雑な気持ちにさせてくれるコントである。
「恥のつぶて」「笑顔発明した人?」など言葉のチョイスも抜群である。
2本目は白い靴下を持ってこいと言われた男が突然会社に現れるコントでオチがホラーな所もかもめんたるの特徴の一つだ。やはりこのコントでも2人の演技が光っていた。
2013年キングオブコント王者になり岩崎う大は不安を覚えたと、あるインタビューで語っている。
賞レースで優勝するという事はそこからテレビタレントとしてのステージが待っている。そこでやっていけるのかが不安だったようだ。
彼は狂気じみたネタ作りもそれを演じきる演技力も持ち合わせているがテレビタレントとしてはその能力を発揮しきれなかった。
演じていない素の自分でテレビに出るのが苦痛だったのだ。
彼曰くネタ番組とひな壇のバラエティ番組は別の種目だと言う。
確かに用意したネタを披露するのとひな壇でその場の空気を察しながら発言して笑いを取るのは大きく違うだろう。そこに得手不得手があってもおかしくは無い。
ネタには絶対的な自信を持ちつつも苦手な部分をさらけ出す所は好感が持てる。
無理をして苦手な事を克服する事は素晴らしいがいつかそのしっぺ返しが来るだろう。
ならば自分の得意な分野で地道にやって行く事も一つの道である。
かもめんたるは現在コンビの活動と劇団かもめんたるという劇団での活動をしている。
彼らの演技力を観れば劇団は理にかなっている。
これだけの才能を持ちつつ日の目を見ないのはもったいない。
今一度かもめんたるに注目してもらえる日が来る事を願いながら最後はこのコントで締めたいと思う。
今日はこの辺で。