自分定規

「答えは己の中にあり」

15歳の衝撃は忘れない

お世話になります、ウツシロです。

 

私は15歳でHipHopと出会い30年近く聴き続けている。HipHop以外にもR&B、House Music、レゲエ、ドラムンベース(Drum'n'bass)、BreakBeats、Soul Music、Jazzなどブラックミュージックを中心に聴いてきた。

ここ10年くらいは日本のHipHopのクオリティが格段に上がりよく聴いているが、聴き出した頃の日本のHipHop(以下JRAP)はリリック(詩)が分かりにくく、共感できる物が多くは無かった。JRAP黎明期とも言え、日本独自のスタイルを確立する準備期間だったのかも知れない。

スチャダラパー小沢健二の「今夜はブギーバック」やEAST END×YURIの「DA.YO.NE」などJRAPを知らない層に届いた曲以外は都内のレコード屋か各地方の数少ないレコード屋くらいしか入手できる場所が無かった。

その当時のJRAPもある程度聴いていたが、US(アメリカ)のHipHopばかり好んで聴いていたものだ。私も幼くて当時のJRAPのリリックに対する理解度が低かったのも原因だと思う。

 

そこで今回は10代の私が衝撃を受けたUSHipHopの名曲を3曲紹介したい。

 

まず1曲目は私が初めて買ったアナログレコードWarren G(ウォーレン・ジー)の

This D.J.」だ。この曲は1994年リリースのアメリカ西海岸のHipHipだ。

アメリカのHipHopには大きく分けて東海岸(ニューヨーク)と西海岸(ロサンゼルス)があり、サウス(主にアトランタ)も少し遅れて台頭してきた。

 

西海岸(LA)のHipHopの特徴はサンプリング物もあるが、シンセやトークボックスを使用した楽曲が多い所だ。トークボックスとは楽器から出た音を専用のエフェクターとチューブに通し、人が喋っているような発音を加える手法だ。

そしてお土地柄なのか車の中やパーティーで好まれる曲が多いのも特徴だ。

私は割と東海岸(NY)の曲を好んで聴くがこの”This D.J.”だけは思い出の1曲として心のベストテンに入っている。

 

 

This D.J.

This D.J.

  • ウォーレン G
  • オールド・スクール・ラップ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

私の記憶が確かなら1995年頃の深夜に「Count Down Groove」という番組が放送されていた。MTVなど知らない当時の私にはTVで入手できる唯一の洋楽情報番組だった。

何のチャート(オリコンやらビルボード)だったのか分からないがHipHopも上位に挙がっていて数曲の新譜を知る事が出来た。その中の1曲でありUSHipHopのMV初体験がこの曲だった。

日本のMVの様な派手さは無く、異国情緒溢れる日常生活を淡々と映す感じが私には衝撃で「こんな地味なミュージックビデオありなんだ」と思ったものだ。

当時は地味に見えたがアメリカのストリートのカッコ良さも知るきっかけになった。

周りがJ-POPを聴いている中、自分だけが違う文化に触れているという優越感の様な感覚も味わっていた。

音楽メディアの主流はCDだったが、私はターンテーブルを手に入れ、隣町のレコード屋までアナログレコードを買いに行った事を今でも憶えている。

 

2曲目がNas(ナズ)の「One Love」だ。

One Love (feat. Q-Tip)

One Love (feat. Q-Tip)

  • Nas
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

1994年リリース、東海岸(NY)の曲だ。東海岸の曲の特徴はJazzをサンプリングし、シンプルなワンループのトラックでお洒落な曲が多い所だ。この曲、投獄された仲間への手紙をリリシストとして有名なNasがラップしているのだが、英語の解らない私はトラックにやられた。

この哀愁漂う激渋トラックが10代の男の子に響いたのだから今考えるとマセた小僧である。A Tribe called questQ-Tipによって制作されThe Heath Brothersの”Smilin’Billy Suite(partⅡ)”をサンプリングしたトラックになっている。

 

3曲目はJay-Z(ジェイジー)の「Dead Presidents」だ。

Dead Presidents II

Dead Presidents II

  • ジェイ・Z
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

今ではUSHipHop界のキングに君臨するJay-Zだが、この曲はファーストアルバムに収録されている96年の名曲。”Dead Presidents"とは米国紙幣に印刷されている歴代大統領の事でお金を意味するスラングだ。

Lonnie Liston Smithの”A Garden Of Peace”をサンプリングしたこのトラックも90年代のHipHopにおいて哀愁トップテンがあれば上位にランクインする事間違いなし。

金を稼ごうぜの曲でこんな切ないトラックを使う必要があるのか疑問だが何とも言えない悲壮感のような物も漂っている。

Jay-Zはその後、かの有名なビヨンセさんと結婚し世界トップクラスの成りあがりを成功させるが、当時の私はそんなこと夢にも思わなった。

しかし私も10代から哀愁曲ばかり好んで聴いているあたり何かあったのかと心配になってくる。楽しく生きていたはずなのだが…

 

 

ちなみにこちらが元ネタ

A Garden of Peace

A Garden of Peace

  • provided courtesy of iTunes

 

今回紹介した3曲は90年代のHipHopの殿堂入り曲なので是非覚えておいてもらえるとテストに出た時に安心だ。

青春時代の曲というものは一番心に残ると研究結果でも証明されている。最新の曲もできる限り聴いているが、やっぱり15歳の衝撃にはかなわないかな。

 

他にも思い出の曲は沢山あるがきりがないのでまた次の機会に。

 

 

 

今日はこの辺で。