自分定規

「答えは己の中にあり」

ある日の電車にて

お世話になります、ウツシロです。

 

今日もいつものように電車に乗る。

数人立っているが、ほとんどの乗客が座っている。

私も椅子に座りおもむろにスマートフォンをポケットから取り出しながら何気なく周りを見渡した。

 

そこである事に気付く。

 

目が届く範囲の全員がスマートフォンを手にとり見つめているのだ。

たぶん今までにも同じような状況はあったはずだが気にしていない、しかし今日の私には何故か引っかかった。

曇りなきまなこで全体をゆっくり眺めながら思う。

 

これって異様な光景だよな…

 

皆が均一にスマホをいじくる姿に機械的な不気味さを感じた。老若男女関係なく、そこに居るすべての人が覗き込んでいる。

小さな板状の物質に取り憑かれどす黒い鉛玉のような眼で凝視しているのだ。

まるで「世にも奇妙な物語」に出てきそうな光景である。

とは言えスマホを捨てよペンを持てと言うつもりは無い、私もこの便利な小さい板を愛用しているし手放すことは不可能に近い。

私が不気味さを感じたのは自然発生的に皆が同じ行動をとっていた事かも知れない。

然るべき場所で皆が同じ行動をとる事は理解できる、しかし何の号令も無い環境で見ず知らずの人達が同一の行動をとる事に違和感を感じたのだ。いくらベストセラーの本が流行したとしても乗客全員が読むような本は無いだろう。

このスマホという物体、見た目は一緒だが見ている中身は皆違う、乗客同士で何かを共有したり共感している訳ではない。

白黒テレビを街頭に集まり皆で観ている方がよっぽど可愛げがあるではないか。

スマホが更に進化を遂げた時この電車内は一体どんな状況になるのだろう。

 

そんな情景を傍観しながら「こ、これがスマホ時代なのか…この先どんな未来が待っているんだぁ~」と心の中で叫んだ。そして視線を手元に戻すと私もスマホで下書きを書くのであった。

 

 

赤い電車

赤い電車

  • provided courtesy of iTunes

 

 

それにしても電車のドアを背に体を車内中央に向けて仁王立ちする人よ、なぜ外を見ないんだ、頼むから夜景を眺めてくれ…

 

 

 

今日はこの辺で。